2013年11月10日日曜日

三国志演義、三国志 蜀書 関張馬黄趙伝第六 張飛伝(2)

劉備は曹操に(呂布については)ゆるゆると手を下す、とか気のない返事を出しただけ
でした。使いの者も呂布を殺そうとしない、と曹操に報告します。そこでまた荀彧と相
談します。すると荀彧は、袁術に密使を送って、劉備から南郡を攻略するとの上書があ
ったと言わせ、袁術を怒らせ劉備攻撃攻撃に走らせる一方で、劉備に袁術討伐の(偽り
の)詔をだせば両者で戦いが起こる。そうすれば呂布が裏切りに走るだろう、というの
です。(勿論こんなきたない手段は本物の荀彧には似つかわしくありません。)とにか
く計画通り袁術と劉備の争いが始まります。 劉備は出陣にあたり、城の留守番が必要で
劉備は

二弟之中、誰人可守?
と言います。“二人の弟のうちだれが守るのか”というわけです。自分で決めて命令す
ればよいのに馬鹿な質問です。まず関羽が手をあげると、一緒に連れて行って相談相手
になってもらうといいます。当然張飛が自分がやる、といいます。すると
你守不得此城。你一者酒後剛強、鞭撻士卒。二者作事輕易、不從
人諫。 吾不放心。
すなわち、“お前ではこの城は守りきれない。一つにはお前は酒癖が悪く、飲めば兵隊
を鞭で殴る癖があるし、二つ目には軽はずみで人の諌めを聞こうとしない。自分は安心できない。”と言います。 
こんなことを言っておきながら、張飛に禁酒を申し渡し、陳登を後見人として城の留守番を任せてしまいます。もし張飛が劉備の言ったような人間なら、現実の世界では碌に役に立たないでしょう。張飛に大任をまかす劉備こそ不思議です。
水滸伝に李逵(リキ)という者が出てきます。梁山泊の百八人中で二十二番目の親分です。しかし字も碌に読めず、酒を飲むこと、人を殺すことが大好きというとんでもない男です。張飛の扱いはちょっと李逵を彷彿とさせます。どうしてこのような男が通用する人間として描かれるのでしょう。 これからあと、張飛のお粗末極まりない話が出てきます。






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